事業承継という道

 まずこの仕事についてどうして選んだのかを書きます。

 30数年公務員をしてい中間管理職だったせいもあるのだと思いますが、充実感がありませんでした。まあ立場もそこそこ良くて部下も数人は必ずいる仕事をしていました。総務という職場で総務本来の仕事と他の部署に該当しないことを担当します。正直面倒なのと何かやっても『ありがとう』と言われることをほとんどありません。もれなく仕事をこなす。上級組織から通達されることをもれなく伝えるといったことです。

 ある時、『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』(三戸政和著)という本を読んで経営者人生もいいなあ。もうサラリーマンは嫌だなあと思っていました。

 やめる3年前にこの本を読んでもうサラリーマンはやらないことを決めました。それから退職の1年半前に地元の県に転勤し事業承継活動をはじめました。まずは、県の商工会議所が行っている事業を譲りたい人と事業を引き継ぎたい人をマッチングさせるサービスに登録し物色を進めていました。お役所仕事っぽくてテキパキとはマッチング作業が行われず退職の1年前になり焦りを感じ、民間の事業承継マッチングサイトを活用することになりなんとか良さそうだと思うことが3つほど出てきて応募をしました。

 一つが音楽スタジオ、一つがエステ、一つがサプリメントの販売でした。最後のサブリメントの販売は連絡がつかず、二つ目のエステは立ち上がったばっかりで二つの事業を行うオーナーが一つに集中したいからというのが理由でエステはまだ赤字でした。最初の音楽スタジオは一定の収益があるということだったので、スタジオ管理はオペレーションも簡単だと思もいこれに決めていました。

 早くオーナーと会いたいと思い3月末から接触を図りオーナー『T』と会いました。風貌はミュージシャン風で髪が長くラメの入ったTシャツ姿でやっぱりミュージックを演る人なんだなと思いましたが人柄は良さそうな人で音楽スタジオのことが気に入ってしまいました。月の売上も90万円ほどあり収益が30万円近くと言われたことを信じて良いものを掴んだと思っていました。さらに『実はもう一軒大手から継承を打診されていて手付金をいただければ独占交渉する。』と持ちかけられ強迫観念に駆られた私は150万円を振り込むことにしました。契約もトントン拍子に進み退職金を750万円払い引続ことを決めました。

 退職後の脱サラ生活は、バラ色なことを信じて疑いませんでした。

 次は順風満帆に見えていた開業準備について書きます。

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